…誰だろう。 帽子を深く被っていて、顔はよく見えない。 でも雰囲気からして、私にこんな知り合いはいないと思った。 「あの…どなたですか…?」 親の知り合いにしては若すぎる気もするし… 私が悶々と考えている間も、男の子はまったく口を開かない。 …そろそろ何か言って欲しいんだけど。 「…あのッ」 「……レナの」 その名前に、言いかけた言葉を飲み込んだ。 今この人、レナ、って… 「レナの、双子の兄、です」