相変わらず目線は空に向けたまま、なんとなく机の中に手を突っ込んだ。 本当に、ただの気まぐれ。なにも考えずに行ったこと。 かさ、となにかが指の先に当たる感触に、首をかしげる。 今日で二年生も終わりだから、机の中は空っぽにしたはずなのに。 少ししゃがみこんで、机の中をのぞき込む。 そのなにかが、机の中の一番奥に、セロテープで貼り付けされているようだった。 こんなことしたっけな、未来のいたずらかなにかかな、なんて思いつつ、指先の感覚だけでセロテープを剥がした。