ゆらゆらと、私たちを空へと運ぶ観覧車。



「…これ終わったら、帰らなくちゃいけないんだね」




夢の時間は、もう終わる。


暗くなり始めた空に、嫌でもそのことを思い知らされた。




「…きれい」





夜なんて、こなければいい。



そうすれば、亮との時間がずっと続くのに。





そう思っているはずなのに、暗闇が迫った空と、眩いばかりの輝きを発する遊園地は、高いところから見たら…泣きたいくらいに美しかった。






「…俺が今日、ここにヒカリを連れてきたのは…ヒカリに、話があるからなんだ」





聞きたくない、と。



彼がなんの話をしようとしているのか、どんな話をしようとしているのか、なにもわからないのに。





なんとなく、本当になんとなく、そう思った。