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「いやぁ〜楽しかった!」
あのあと、結局お化け屋敷に入らされて。
そのお返しだとばかりに、再び別のジェットコースターへと亮を引きずって。
そんなこんなで、気づいたらもう帰る時間になっていた。
「…まさか三回もジェットコースター乗せられるとは思わなかったけど。」
さすがの亮も、三回も乗ると慣れるらしい。一回目よりは余裕がある。
…それでも今は、ベンチに座って休んでるんだけど。
「…帰りたくないなあ」
お母さんに早く今日のことを話したいと思う反面。
こんな、夢のような時間が終わってしまうことを寂しく感じる。
オレンジ色の空をカラスが鳴きながら横切って、なんだか泣きそうになってしまった。


