ガタタッと派手な音を立てて、ジェットコースターが登り始める。
園内がミニチュアみたいにちっちゃく見えて、わあ、と一人歓声を上げた。
「景色すごいよ!顔あげなって!」
うつむいている肩を揺り動かしてみても、亮は頑なにその顔を上げようとしない。
…もう。ジェットコースターで景色見ないなんて、もったいないなあ。
ぷう、と頬を膨らませていると、一際大きな音を立てて車体が傾き始めた。
「あ、あ、ああああっ」
目を白黒させてわけのわからないことを呟く亮。
その姿があんまりにも面白くて、また笑いそうになったけど…それより先にコースターが猛スピードで落ち始めて、笑い声は絶叫へと変わった。


