「…俺ほんと、死ぬからね?」
そう一言、遺言みたいに言い残して無言でジェットコースターの座席に腰を下ろす亮。
私がどんなに話しかけても目をつぶって首を振るばかり。
…なにしてるんだろう。精神集中?的な?
ジェットコースターが音を立てながら動き始める。
すると、これまた無言で…亮が私の手を強く握ってきた。
「りょ、亮…?」
その顔をのぞき込むと、見るからに真っ青。
…ほんとに無理なんだね、ジェットコースター。
「っ…女にこんな姿見せるとか…
かっこ悪すぎだろ、俺」
亮の意外な一面を見た気がして、逆にきゅんと胸が鳴る。
ふふふと笑うと、「笑うとこじゃねーから!」なんてガチトーンで怒るんだもん。もっと笑っちゃった。


