ひとしきり三人で笑って、落ち着いた頃。
途方もないくらいの寂しさに襲われた。
これが最後じゃないことくらいわかってる。
二学期も、三学期もあるんだもん。まだまだ三人でふざけ合える。
なのに、なんでかな。
「…夏休み、やだな」
ぽつり、と。
言うつもりなんてなかったのに、口をついて出た言葉。
二人もなにも言わないから、もしかしたら同じことを思ってるのかもしれない、なんて自分勝手な妄想を抱いた。
「…いつ、渡そうか迷ってたんだけど」
私の言葉に感化されたみたいに、思い出したかのように口を開く亮。
そのままかばんをあさりだして、取り出したのは一枚の薄っぺらい長方形の紙。
「…明日、デート行こう。ヒカリ」


