「そっか…そうだよね…上原さん、優しいし、可愛いし、頭良いし…完璧だもんね…」 笑っちゃうくらい中身のない言葉。 でもそれでも、泣きながら微笑む佐伯さんは、綺麗で、可愛くて。 「藤堂くん…」 さらに、一歩、一歩と近づく佐伯さん。 「……好き……」 亮の耳元で囁いたであろうその言葉は、遠くて聞こえないはずなのに…確かに私の耳に届いて。 背の高い亮の首に手を回す佐伯さん。 背伸びをして、 少し微笑んで、 藤堂の唇に、唇を重ねた。