ゴールを知らせるピストルの音。
沸き起こる歓声。
私たちの勝利を興奮気味に伝えるアナウンス。
みんなで一斉に、アンカーの元へと駆け寄った。
「藤堂!!お前すげぇよ!!!」
「本日のMVPだよ藤堂くん!!」
よかった…ほんとに、よかった…
みんなの想いを無駄にすることにならなくて…
藤堂の照れくさそうな笑顔を見つめる。
心の中で、ありがとう、と呟いた。
「いやでも、上原もすごかったよなぁ!」
思わぬ言葉に、え、と声のした方を見ると、男子の何人かがうんうんと頷いている。
…わ、私?私のせいで、負けそうになったのに…
「正直バトン落としたときはヒヤッとしたけど…すぐ追いついちまうんだからなぁ。俺ちょっと、感動したよ」
「俺も俺も!一生懸命走ってるの伝わってきた!」


