確か佐伯さんは、私と笹島さんの次に足が速かったはず。 佐伯さんと一組の子との間に、もう距離はなかった。 …これなら、いける…! 確信を持って、佐伯さんがバトンを繋いでくれるのを待つ。 右手に硬い感触を感じて、それを掴んで走り出す______はず、だった。 「…はい、レナちゃん」 …佐伯さんがそんなこと、言わなければ。 『ああッ!四組、バトンを落としてしまいました!!その間に一組が差を広げます!』