しばらく指一本動かせなかった。



まるで、周りの空気が氷点下くらいに下がったような、そんな感覚。



息をするのも苦しくて、落ち着け、って自分に言い聞かせて、何度も深呼吸をした。




クラス対抗リレーの始まりを告げるアナウンスで、やっとのことで動き出す。





でも、隣で突っ立っている未来は、それでも動こうとしなかった。








「…未来?」







のぞき込むと、未来は…顔を真っ青にして、目を見開きながら…がたがたと、震えていた。