必死に足の回転を速める。 でも初心者の私には、着いていくだけで精一杯。 …こんなことなら、もっと走る練習しとけばよかったな。 だけど、ここで食い下がるわけにはいかない。 すでにレースは、私と陸上部の子との一騎討ちになっていた。 「柿沢ぁ!陸上部の意地を見せろ!」 「人殺しなんかに負けんなあぁ!」 …人殺し… 大丈夫。慣れてるから、そんな言葉気にしない。 気にしない、はずなのに。