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他愛もない話をしながら屋上へと向かう。


最近まともに話すらしていなかったから、彼の笑顔も久しぶりに見たな、と気づいた。




中学校の頃とは違い、屋上は立ち入り禁止になってない。


重い扉を開けると、外の空気がぶわっと吹き付けてきてよろけた。



あ、空、青い。雲一つない。



昼休みとかだと絶好のお弁当スポットで人も多いんだけど…朝だから、人の姿は見当たらなかった。





「…上原、話って?」




私、不器用で、前置きとか苦手だから。





青いキャンパスを背に立つ藤堂に、小さく微笑んで…震える唇を、開く。








「好きです」