「上原、どうしたんだよその髪っ?!」



朝、教室に入った途端、きーんと頭に響く大声。



「いや、もうすぐ体育祭だし、サッパリしようかな、って……」



その大声の主に失笑すると、藤堂はまじまじと私の短くなった黒髪を見つめた。


少しして、にいっと歯を見せて笑う彼。



「長いのも綺麗だったけど、短いのも似合うな!」




…不可抗力。


みるみるうちに顔に熱が集まるのを感じる。




ああ、恥ずかしい。このまま何も言わずに自分の席に戻りたい。



でも、これだけは言わなきゃ。






「…藤堂、昨日…ごめん」



顔を真っ赤にしながらそんなこと言うもんだから、きっと変に思われたんだろうな。


…だけど、顔が赤いのは藤堂のせいなんだからね。