体育館裏に響く鋭い破裂音。
頬に走る衝撃。
「ざ…っけんなよ…?!」
ああ、佐伯さんに殴られたのか。
そう理解するのに、大した時間は要さなかった。
肩を突き飛ばされて、体育館の外壁にぶつかる。
そのまま佐伯さんに押さえつけられて…これってなんて言うんだっけ。今流行りの壁ドン?ってやつ?そのわりには痛いけど。
「ヒカリッ!!」
取り巻きに羽交い締めにされて動けてない未来の姿が佐伯さんの肩越しに見えた。
「…頭ぶん殴られただけじゃ足りないみたいね」
あのときの激痛が記憶に甦る。
ずくん、と頭が少し痛んだ。
「あんたみたいな人殺し、この学校に必要ないのよ…!」
佐伯さんは、ハサミを取り出した。


