藤堂…?!
予想外の言葉に唖然として佐伯さんを見ていると、彼女は構わず話し続けた。
「転校初日からべたべたべたべた…金魚の糞みたいにさぁ
特に前沢未来!もともとの知り合いだかなんだか知らないけど、好きなのバレッバレ
藤堂くんは優しいから、あんた達の相手してやってるだけよ
そんなこともわかんないの?御愁傷様」
私たちに向けられるにやにやを全身で受け止めながら、思う。
ああ、なんだ。
そんなことか。
「…馬鹿じゃないの?」
自分でも…こんな言葉が出るとは、こんな声が出るとは、思ってもいなかった。
「藤堂のことなにもわかってないのはあんた達じゃん
そんなんで何様のつもりなの?未来と藤堂のなにを知ってそんなこと言ってるの?」


