「じゃあ、帰ろっか!」 差し出される手。 今度はちゃんと、握り返せた。 二人一緒に歩き出す。 「ねぇ」 背後から、誰かの声がした。 …誰だろう?体育館裏なんて…滅多に人こないはずなのに。 振り返ると、佐伯さんと…その取り巻きたちが、にやにやしながら立っていた。 「…なに?」 嫌な予感がする。 佐伯さんは、口角を一層上げて、ピンク色の唇を開いた。 「あんた達、ムカつくんだけど」