「…中川、前沢。悪いんだけど、俺、上原に話したいことあるから…二人にしてくれないか」 いつになく真剣な藤堂の声に、目を丸くする二人。 でも、目を見合わせて頷いて、二人は保健室から出ていった。 「……ごめん」 二人きりの保健室。 伏し目がちに私を見る藤堂は、唇を噛み締めて、眉間に皺も寄っていて。 …やっぱり。言うと思ったんだ。 「藤堂は悪くないよ。私が勝手に殴られただけだし」 「でも…どんな理由でも、女にかばわれるとか……俺、かっこ悪すぎ」 はは、と自嘲気味に笑う藤堂。