「上原…俺、上原にもう一つ、謝らなきゃいけないことがあって」 躊躇うように視線をそらして、また合わせて。 その視線を受け入れると、中川くんはそっと口を開いた。 「…俺さ、小学生の頃…母親を、事故で亡くしてて」 黄金色の光が差し込んできて、中川くんを照らす。 もうそんな時間なんだ、と日暮れの輝きを見据えながら、ぼんやりと感じた。