「元はと言えば…そいつが…!」 「上原が、お前になんかしたのか?」 なんで…なんで、藤堂が私のことかばってくれてるんだろう。 さっきまで、他人のふりしてるみたいに私のこと避けてたのに。 「…俺はなんもされてないけど…人を、殺したとか…」 「お前は、上原がそんなことする奴に見えるのか?」 「そりゃ俺だって信じたくねぇけどよ!本人がそうだって言ってんだからそうなんだろ?!」 唾を吐き散らしながら私のことを指さす中川くん。 その指先は、ちょっぴり震えていた。