「…やっぱ教室入るの、まだ嫌?」 扉を開ける手が躊躇っていたのがばれたのかな。 「…ううん、大丈夫」 あの頃みたいに、一人じゃないから。 私の隣には、未来がいてくれるから。 静かに教室へと足を踏み入れる。 できる限り存在感を消したはずだったのに、毎日変わらず、私が入ると凍りつく空気。 深く息を吸い込んで、自分の席へとたどり着くと、窓の向こうの空を見上げた。