『人殺し』
下駄箱に入っていた、プリントの切れ端みたいなちんけな紙。
…高校生にもなって、とか言いたいことはいっぱいあるけど、そんなこと実際に口には出せないから。
一緒に登校してきた未来にばれないように、小さくため息を吐いて下駄箱をしめる。
「…ごめん。私上履き忘れちゃったから、スリッパ借りてくるね」
返事を待たずに、靴下のまま昇降口を進む。
未来は、優しいから。
きっと、あんなことされてるって知ったら、すごく怒って犯人を捕まえようとするんだろうな。
…未来に、迷惑はかけたくないんだ。
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