「ヒカリ?どうしたの?」
未来の声にはっとして意識を今に戻す。
さっきの悪口を気にしているのか、と心配そうな顔を見せる未来。
ううん、そんなんじゃない。
軽く微笑んで、再び廊下を歩き出す。
…私には、未来がいてくれるだけで幸せ。
未来と二人でいられれば、それでいい。
だから_______
「…亮くん、」
廊下の向こう。未来の視線の先。
窓なんて開いてないのに、風になびいてるように見えるさらさらの黒髪
日本男児の平均身長なんてゆうに超えているであろう背丈
くっきりとした目鼻立ちに_________


