_______「難しいことはよくわからないけど」
あの日、黄金色の保健室。
二人して大人げなく泣いて。まだ全然大人なんかじゃないけど。子供みたいにわんわん泣いて。
ひとしきり泣いて、気恥ずかしさがちょっと残った頃。
目尻に溜まったままの涙を指ですくいながら、未来は呟いた。
「なにも気にせず幸せになっていい、とか、そんな無責任なことは言っちゃダメなんだと思う
きっとヒカリがやったことは許されないことだし、ヒカリが今まで抱えてきたものとか、全部否定するみたいだし
…こういうとき、なんて言ったらいいのかとか、あたしわかんないけどさ
でも、あたしは…ヒカリと、友達じゃなくなるなんて嫌だよ
あたしはヒカリと…ただ一緒にいたいよ」


