やっぱり家という空間は苦手だ。 逃げ場がないから。 自分の部屋にこもっていたって、その部屋の空気でさえも息苦しい。 制服のスカートとジャケットだけほっぽって、畳の上に大の字になって寝っ転がる。 なんかもう、全部めんどくさい。 お風呂に入ることも、ご飯を食べることも、言葉を発することも、息をすることも。 リビングからいい香りが漂ってきて、お母さんが久しぶりに料理を作っているんだとわかった。 懐かしい香りに瞼が下がってきて、私はそのまま…深い眠りに、落ちていった。