なんで、とか、どうして、とか。 知りたいことはいっぱいあるのに、口の中が乾いて、舌がうまく回らない。 でも、それ以上に。 はやく、ここから逃げたい。 この人から、離れたい。 涼しいくらいの教室なのに、冷や汗が止まらなくて。 「…ワッフルと、タピオカ…です、ね」 くるりと踵を返す。 はやく。はやく。 梓から。 過去から。 はやく、逃げ出さないと。