「やっべぇメイドさん超かわいいんですけどぉ!」 未来は完璧な営業スマイルを浮かべながら、「ご注文はなんですか?」と定型文を淡々と述べた。 そんな未来を意にも介せず、にやにやしながら彼女の茶色いボブヘアに手を伸ばす不良。 今度は嫌そうな顔を隠しもせずに、未来はその手を跳ねのけた。 「いってぇなぁ…なにすんだてめぇ!」 怒鳴られても、険しい表情で無言を貫く未来。 でも、私は気づいてた。 その肩が、小さく震えてることに。