「上原…ほんとごめん!俺がぼうっとしてたから…!保健室行こう!」 その言葉で、私がぶつかったのは藤堂だったんだ、と今さら気づいた。 「いや…私も、考えごとしてたから…それに、こんくらいのケガ大丈夫だよ。絆創膏貼っとけば治る」 目を合わせないようにと、余計なことしないでと、うつむいていたのに。 まただ。 腕を引かれる。 慣れない藤堂の手のひらのあたたかさに、握られた腕が熱を帯びていく。