「ヒカリ、大丈夫?」

「未来…」



接客用のメイド服を揺らしながら、私の顔をのぞき込む未来。


その顔にはありありと心配の色が浮かんでいる。



「さっきからおかしいよ?ずーっとぼけっとしてる」



まっすぐなその瞳を見ていることが出来なくて、目をそらした。



「…大丈夫だよ」



ほんとは全然、大丈夫なんかじゃない。


こうやって私はまた、友達に嘘を重ねる。



その事実が石みたいに硬く、重く、私の心に落ちていく。