「ぎゃあああぁぁあああぁあっ!!!」 「上原!!大丈夫だって!」 「無理!まじで無理!!やだぁ!!」 「上原っ!!」 涙目で藤堂を見上げた。 暗いのに、近いから、藤堂の姿はぼんやりとしつつもかろうじて見える。 「ほんと…むり…」 なんで、振り向いちゃったんだろう。 そもそも、なんで入っちゃったんだろう。 何度目かわからない後悔をしていると、ふわりとなにかに包まれた。 「…俺、ちゃんとここにいるから。大丈夫」 それが藤堂の匂いだと、気づくのには少し時間がかかったけど。