私と、同じだ。 私も、まったく同じ。 顔を上げて、私の瞳を見つめる藤堂。 その瞳の奥に、私の姿が映っている。 「…なんで、だろうな」 瞳の奥の私は、どんな顔をしてたのかな。 困ったように笑う藤堂を見つめ返すことができなくて。 またうつむいて、爪をいじる。 その指が、震える。 握られた手が、熱い。 …なんで、だろうね。