そんなことない。 私が悪いんだ。それに関して、藤堂に悪いことなんて一切ない。 「…なんでか、わかんないんだけど」 思っていることを伝えようと口を開くと、藤堂の言葉に遮られた。 「今日、私服姿で俺のこと待ってる上原見たら、うまく…言葉が浮かばなくなって いつもみたいに、なんかしゃべろうって思っても…こんなこと言って、つまんないんじゃないかな、嫌な顔されないかな、とか …そんなことばっか、考えちまって……」