…歩き出したはいいけど、お互いどこか気恥ずかしさを感じて、いつも通りにしゃべれない。 思い出したように口を開いては、二言、三言しゃべって黙ってしまう。 …なんで私、こんななんだろ。 口下手で、暗くて、しゃべったって面白くないし…だめだめ。 ちらりと藤堂の横顔を見ると、少し困ったように微笑んでいる。 藤堂を困らせていると思うと申し訳なくて、視線を地面へと下げた。