「っ重…」 中学高校と帰宅部だった私の筋力を舐めないでいただきたい。 持ち上げて10秒もしないうちに再び地面へと吸い寄せられる二つのビニール袋。 そんな私の目の前を、マイバッグをいっぱいにした主婦が悠々と歩いていった。 …私、主婦には一生なれそうにないな。 「…まあ、お前女だしな。しょーがねーよ」 ひょい、と私の手から袋の一つを引き寄せる藤堂。 その手にはすでに三つの袋が掴まれている。 …やっぱり藤堂も、男の子なんだなあ。かなわない。