◇◆◇ 「藤堂って、転校してくる前はどこの学校にいたの?」 渡されたメモを見ながらおもむろに商品を買い物カゴにつっこむ。 少しの沈黙があって、後ろにいる藤堂は 「ナイショ」 と、ちょっと笑ったような声音で答えた。 買い出し係、の名の通り、必要な物が書かれたメモを手に、私と藤堂は学校の近所のスーパーに来ていた。 毎朝通学路として前を通っているスーパーに、こうやって藤堂と制服姿で買い物をしてるっていう非日常がなんだかおかしくて、自分の機嫌が良いのがわかる。