「…っ前沢さん!!」



よかった。まだ遠くへは行ってなかった。


前沢さんの背中に向かって叫ぶと、その肩がぴくりと揺れた。




「私…っ前沢さんに、言わなきゃいけないことが、あって」




深呼吸をして息を整える。


前沢さんは相変わらず、私に背を向けたまま。



もう一度、深く息を吸い込んで、大きく口を開く。






「私…私ね、前沢さんと_________」








ゆらり、と。



前沢さんの影が揺れた。






そのまま前沢さんは、バランスを崩して…膝から崩れ落ちていった。