「なに読んでんの?」 _____ブチッ、と。 世界が、終わった。 「…前沢さん」 灰色の現実世界には、満面の笑顔で私の顔を覗き込む前沢さんがいた。 あまりにもまっすぐな瞳で見つめられて、思わず目をそらす。 「あっ!この本知ってる!この前お母さんが読んでた!」 「…だから何?」 「いやぁ〜上原さんとしゃべりたいな、なーんて」 えへへ、と頭をかく前沢さん。 なにが面白くてそんな笑ってるんだろう。 …私としゃべりたい、とか…冗談よしてよ…