――……。


……。


翌日の昼。
朔也は横山家をあとにしたけれど。

その2日後に、何故かまた横山家にやって来た。
しかも、大雅と一緒に。




「ここが“横山さん”の家かぁ。
いいなぁ。俺もこういうデカくて綺麗な家に住みたいなー」


庭に出て家を見上げる大雅。
それから俺を見てけらけらと笑う。


「龍輝が養子にならないなら、俺が養子になっていい?」

「…そんなことよりお前、なんか用があって来たんじゃねーの?」


「うわ、そんなことよりとかひどくない?
龍輝が寂しがってるんじゃないかと思って来たのにー」

「別に寂しくねーから。で? なんの用?」


そう聞いた俺に、大雅はニヤリと笑った。




「せっかくの夏休みなんだから、真由ちゃんとの思い出欲しいっしょ?」

「…は?」


「夏って言ったらやっぱり花火だろー?
花火大会の会場でさぁ、会うはずがないって思ってた龍輝と真由ちゃんが偶然会う!!つーのを俺と朔ちゃんで仕組む。
どう? すげー良い思い出になると思わない?」