時代は、丁度コギャルブームの幕開けだった。
同世代のアムロちゃんに影響され、雑誌に載っている東京の女子高生に影響され。

ルーズソックスと、ダボダボのセーターは、田舎の女子高生にも浸透していた。
高校3年になると、ポケベルが浸透し始めた。
まだ、PHSを皆が持ち始めるちょっとだけ前の話だ。

子供の頃、バブルや女子大生ブームをテレビで見ていた私達が、今度は主役だ。
そんな風に思って、田舎のコギャルの先駆けにでもなったつもりだった。


そうして、憧れに憧れた東京に、なんとか出て行く術を皆が考え始めた。
進学校とは言っても、あたし達のクラスだけは『私立大学専願』の
ちょっとおバカな落ちこぼれクラスだった。
だから、あたしの周りの仲間達は、なんとか推薦で行ける短大か、
自分の偏差値でも受かりそうな短大を血眼になって探した。

あたしは、勉強こそしなかったケド、部活をやっていたのが役にたった。
なんとか、推薦で入れる短大が東京にあったのだ。

高校時代は、留年しそうになりながらもなんとか、こうやって、
面白おかしく過ぎていった。

この歳になって思い出しても、いい思い出ばかりで、あの頃の仲間達は今でも大切な友達だ。
購買で買っていたパンが馬鹿美味だった事とか、しょーもない事も含めて、大切な思い出。
深刻な悩みも無くて、輝いていた頃だった。


顔とか体型は微妙だし、田舎くさくて冴えない田舎の女子高生だったけど、
自分達はイケてると信じて疑わなかった、あの頃。

その後、何年かしてから、あんなに激しい本当の恋をするなんて夢にも思わずに。

あの人も、同じ頃、私のいた土地より更に北の地で同じように高校生をしていたんだろう。
絶対にかなわぬ夢だけど、見てみたかったなぁ。

アイツの高校生時代。
きっと、私みたいに、イキがっていて。
でも、モテたんだろうなぁ。

故郷の事、高校時代の事、少しだけど、教えてくれたね。
お互い、高校生の頃に出会っていたら、どうだったんだろう？
なんて、想像すると、ちょっと笑っちゃう。

傷付け合う事もなく、きっと淡く甘酸っぱい思い出になっていたのかな？
なんてね。