取り合えず、席に通されて、まずはオーダーから。
あたしはビールはあんまり飲めないのでグレープサワーから。
イイヤマは、取り合えずビール派らしい。
「何食べたい?」と2人でメニューを覗いてアレコレ言うのは結構楽しかった。
「ビールにはジャーマンポテトじゃね!?」
「何でだよ!?」
「だって、ビールと言えば、ドイツでしょ?」

そんな訳分かんない事を言いながら頼んだ、ジャーマンポテトは意外にも激ウマだった。
イイヤマは、大学院まで行ってる位だから基本的には真面目な感じだった。
大学時代はヨットの部活と勉強で忙しかったから、院生になってやっと遊べるようになったって言ってた。

イイヤマの行ってる学校も男だらけで、女っ気がないらしく、あたしと似たり寄ったりの環境だった。
「でも、めっちゃ頭いい大学なんだから、女受けは良さそうだけどねー」と聞くと
「でも、あんまり知名度無いし、地味な学校だし、出会いがねー…」と言う。

ちなみに、この時イイヤマは、あたしの学校を某有名お嬢様大学と勘違いしていた事に気付いた。
で、ちょっとガックリしたあげく、「えっ!違うの!?」と言いやがった。

あたしはかなりむかついたが、無言で苦笑いしてやった。
『こんなブランド校好きな男はむかつく!マジ無理だ!』
と思い、もう次は無いかなーと考えていた。

でも、意外にもイイヤマはアタシに興味があるのかなんなのか。
「また遊ぼうよー。今度映画とか見に行かない?」と誘う。

まぁ、酒も入っていて機嫌も良くなっていたし、東京のあちこちを案内して貰えそうだし、ちょっと遊んでみようかなーと考える事にした。

その日は、ビアホール一軒で終わりにしてバイバイする事にした。
あたしの乗る電車の改札まで送ってくれたイイヤマは、「また電話するね」と。