レア、土星軌道上を廻る第五衛星。タイタンに次ぐ大きさを持っている。カッシーニが発見した衛星の一つで、名前はギリシャ神話の巨人族レアーに由来する。密度は低く大半は氷で出来ており、核を構成する岩石は全体の三分の一以下と見られている。表面は前半球と後半球で様子が異なっており、前半球はクレーターが多く明るい。後半球は暗くクレーターは少なく網目状の線があり、これは形成直後の内部活動で生じたと考えられている。 レアには極めて薄いが、酸素を主成分とした大気が存在することがわかっている。これは土星の荷電粒子が氷を分解して発生させていると考えられている。酸素の密度は地球の五兆分の一ほどと見積もられているが、月や
水星の大気の一〇〇倍以上になる可能性もあるようである。また、レアの大気には二酸化炭素も存在することが確認されている。
 酸素と二酸化炭素の生成によって、凍った天体上で更に複雑な化学反応が引き起こされているかもしれず、表面照射を通じて酸素が放出されるということは、表面が凍っていて地下に液体の水が存在する天体上では生命にとって好ましい環境がつくられることを示唆している。酸素と二酸化炭素から成る薄い大気を持つ衛星は、土星系ではレアが唯一である。『レアⅡ』は、この衛星レアの周回軌道上に造られた前衛基地であり。その目的はレア上での生命の発見及び土星圏での本格的な基地の建造である。
 その『レアⅡ』で今、未知の感染病が発生して基地の機能が麻痺状態にある。