1 早く、早く会いたい。 柏木舞子は靴を履き替えるのもままならず、急いで学校を出た。 のろのろと歩く生徒たちを次々と抜き、校門を走って通り抜けると、最短ルートを通るために右に曲がった。 三つ坂を駆け下りると、あと少しで家だ。 息が苦しくて足が痛い。 それでも舞子は走り続けた。 坂を駆け下りた勢いで信号を渡ると、家に辿り着いた。 玄関に靴を脱ぎ捨てたまま自室に向かい、部屋のドアを乱暴に開ける。 ”彼女”と目が合うと、舞子は安堵の表情を浮かべて微笑んだ。 「ただいま......麻里乃、」