だが、意識はまるでないらしく、呼んでも軽く肩を叩いても反応はなかった。 「たのむ、生きてくれ・・・」 かすかな希望。 それを消してはならないと、ゼロスは胸の前で十字の印を切った。 「我に癒しの力を」 両手を少女の胸元に当てるとともに、ゼロスの両手の平から柔らかい緑色の淡い光が少女の身体に向けて放たれた。 祈るのは彼女が生還すること。 彼女はたった一人の生き残りなのだから。 この日、一つの村が盗賊の手によって地図から姿を消した。