「・・・いや、誰か」 まだ、10歳になったばかりの少女は助けを求める声を発する。 だが、辺りが燃える音と、響き渡る悲鳴や爆音でその声はかき消される。 灼熱の炎が少女の目の前に迫り来る。 熱さと肌が焼かれる痛みと恐怖で動くこともできず、ただ物陰に蹲っていた。 幸いにも村を襲った屈強な男たちは、まだ少女の存在には気づいていなかった。