「お師匠様だって、結婚されてないじゃないですか。

 お師匠様ももう25歳でしょ?私のことを心配している暇あったら相手の女性を探したらいかがですか?」


いつもだったら、ゼロスに言われてすごすごと引き下がるミリィだったが、今日は違った。


「・・・私には、女性を幸せにすることができませんから」


そう言って、ゼロスは寂しげに微笑むから、ミリィは何も言えず黙り込んでしまった。


「だから、貴女には貴女を幸せに導いてくれる人に早く出会って欲しいんです」


ゼロスはミリィの黒髪を優しく撫でながら、慈しむように囁いた。