ミリィは嬉しそうに笑いながら、手の中の雛を見つめる。


「よかったね、ピィちゃん」


そのネーミングセンスに、ゼロスが苦笑したことは言うまでもない。




「それはそうと、貴女ももう15歳。

 この国では15歳が成人です。

 もっと女性らしく行動なさい」


「うっ・・・」


この国で15といえば立派な成人であり、婚約者がいたり結婚していたりすることも珍しくはない。


だが、ミリィには好きな異性すらいないように見えた。


それを心配しているゼロスはことあるごとに、女性らしくと口をすっぱくして言っているのだが、ミリィが女性らしくなることはなかった。