「柚、兄貴の家…一緒に行くか!」
「ほんと?一緒に行ってくれるの?」
「当たり前だろ。まあ、たまには兄貴の家に行くのも悪くねぇしな。」
なんたる素早い心境の変化…。
言葉一つで、こんなにガラリと変わってしまうとは、我ながら驚きだ。
「じゃあ、決まりだな。」
兄貴は大きく頷くと、柚に爽やかな笑顔を向けた。
「柚ちゃん、土曜日は蓮と一緒に泊まっていってね!美咲がゆっくり話したいって言ってたから。」
「えっ、泊まり…ですか?でもご迷惑じゃ……」
「迷惑なんかじゃないよ。むしろ大歓迎。だから泊まっていって?蓮も…泊まりでいいよな?」
「…ああ。それでいい。」
柚と一緒に泊まれるんだから、拒否するわけがない。


