「あ、あのっ…待って!ちょっとだけ、離して?」 「ダメ。無理。」 もう試験勉強は終わったんだ。 待って、と言われても待ってやれない。 「お、お願い…。1分でいいから。」 1分…? なんで、その間だけ柚を離さなくちゃいけねぇんだ? 疑問符が頭の中を飛びかったけれど、1分だけなら…と思い、彼女を抱きしめていた腕を解いた。 「蓮、もう一つ…お願いがあるんだけど……」 「なんだよ…?」 「ちょっと、しゃがんで目を瞑ってくれる?」 「は?」 柚の言葉に首を傾げた。