「別に兄貴には関係ねぇだろ。っていうか、もう寝たんじゃねぇのかよ。」
「寝たけど、なんか目が覚めちまったんだよ。もしかしたら、本能的に嫌な予感を感じとったのかもな。」
何だよ、嫌な予感って…。
こんな時に限って目が覚めるなんて、兄貴のヤツ…マジでタイミング悪すぎだ。
俺は、兄貴に冷たい視線を投げながら、チッと舌打ちをした。
「まさに予感的中だな。お前、美咲たちの部屋に勝手に入って柚ちゃんを連れて来たんだろ?」
「違ぇよ!柚とはキッチンで偶然会ったんだよ。」
「そんな見え透いた嘘に俺が騙されるとでも思ってんのか?全く、どんだけ柚ちゃんのことが好きなんだ…お前は。」
何言ってんだか…。
柚に会ったのは、本当に偶然だって言うのに……
とんだ濡れ衣だ。
疑いの眼差しをバシバシと投げ掛けてくる兄貴に反論しようとすると……
「ちょっと、夜中に何の騒ぎ…?」
美咲さんの声が後ろから聞こえてきた。


