不良狼は一途に溺愛中


高鳴る鼓動に胸を躍らせながらドアを開けようとした、その時。


“ガチャ”


聞こえてきたのは、隣の部屋のドアが開く音。


視線を向けると、ふぁ…と欠伸をしながら出てきた兄貴の姿が、嫌でも目に入ってきた。


「げっ、兄貴…!?」


自然とそんな言葉が口から出た。


とっくに寝たとばかり思ってたのに…。


みるみるうちに眉間にシワが寄っていくのが、自分でも分かる。


睨みつけていると、兄貴は俺たちの存在にすぐに気付いた。


「おい、蓮っ!!お前…柚ちゃんに何しようとしてんだっ!!」


眠そうだった兄貴の目が、一瞬にして大きく見開く。


声もかなりのボリュームだ。